カテゴリー: フードペアリング

  • フード・ペアリングの楽しみ方 vol.8「分解と再構築をするペアリング」

    フード・ペアリングの楽しみ方 vol.8「分解と再構築をするペアリング」

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    今回のペアリング

    分解と再構築をするペアリング

    「熟したアーウィン種のマンゴー」=「Etrange」
    ×
    「胡麻団子」

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    ガストロノミー料理の世界では、元々の伝統料理を分解してから再構築をしていく新たなアプローチでお客様たちを楽しませるというスタイルがあります。私どもバーテンダーの世界でもスタンダード・カクテルの再構築が、近年では「ツイスト」というスタイルとして定着してきているのではないかと思います。

    今回は、夏のトロピカルフルーツである「熟したアーウィン種のマンゴー」を分解、再構築して、ペアリングをさせる方法を私なりの考え方で示したいと思います。やや高等なテクニックも要しますが、一つの方法論として今後の皆様のカクテル・メイキングやカクテル・ペアリングの楽しみ方のお役に立つ事ができましたら幸いです。

    まずは、マンゴーの甘み、食感、酸、余韻、香り、成分を分解していきます。細かい成分は割愛しますが、まずマンゴーの成分で挙げられるのは「カロテン」です。「カロテン」はご存知のとおり人参に多く含まれておりますので、素材の一つに人参を使います。

    次に、酸を考えます。熟したマンゴーから感じる甘みの中には、少し発酵をしたような酸を感じます。発酵ジュースなどに置き換える事も可能ですが、ここは酸を効かせてより輪郭をはっきりとさせたいので、人参にワイン・ヴィネガーと砂糖を加えて茹で、グラッセに近い状態にしておきます。

    続いて、香りと味を分解します。エキゾチックな香りと濃厚な甘さはマンゴー独特の香りでもあるのですが、私なりの官能方法で分解した結果、「胡麻油」「アプリコットリキュール」「レモングラス」「オレンジ」となりました。実際にグラスの中でこれらを合わせてみますと、熟したマンゴーの香りと味わいに近い物が出来ました。

    次は余韻を作ります。これは独特の甘い香りとエキゾチックな香りを持つアジアのバニラ「パンダン・リーフ」をウォッカに浸けた物で、独特な余韻の香りを表現することが出来ないかと考えました。確認のため先ほどのテストカクテルの中に加えますと、マンゴーの持つ余韻に近い味わいを予想どおり与える事ができました。まずは、これで味わいの骨格が完成いたします。

    最後に、食感を作ります。とろりとしたマンゴーの食感は、カクテルで表現するならばフローズンカクテルだと考えます。本来はクラッシュド・アイスを加えてブレンダーで作り上げていくのですが、濃厚な味わいと食感を表現したかったので、今回は液体窒素を使うことによってより凝縮した味わいと香りを作り上げていくことにいたしました。これにより、マンゴーの滑らかな食感を再構築します。

    そして今回はペアリングでの再構築でもありますので、私が感じ取った味わいと香りの素材の中から「胡麻」をカクテルのレシピから抜き出し、甘さと油分を合わせるために中華デザートの胡麻団子をペアリングの料理として添えることにいたしました。さらに、卵の殻に見立ててホワイトチョコレートで作った器にカクテルを盛り付けて、お客様にはスプーンで割るワクワク感と、最高級のマンゴーとも言われる宮崎県産「太陽のたまご」をイメージしていただけるような仕掛けで、ペアリングとしての遊びも入れながら完成させます。

    このカクテルは一年前から当店でもお出ししておりますが、多くのお客様が不思議な顔で「マンゴーだ!」とペアリングを楽しまれているようです。

    このように「分解と再構築」でのペアリングは、他のお酒でも出来ると思いますが、様々な材料を加えることのできるカクテルだからこそ、より深いアプローチで表現ができるのではないでしょうか。少し難しいかも知れませんが、皆さんも身近にある食べ物を分解して再構築をするペアリングを考えてみて下さい。新しい発見がきっと見つかると思います。

    カクテル:「Etrange」

    • エギュベル・クレーム・ド・アプリコット:30ml
    • パンダン・リーフ・インフュージョン・ウォッカ:30ml
    • オレンジジュース:30ml
    • レモングラス・ウォーター:30ml
    • 人参のグラッセ*1):50g

    *1)人参のグラッセ

    • 人参 :1本
    • 白ワイン・ヴィネガー :30ml
    • 水 :500ml
    • スターアニス :1個
    • グラニュー糖 :100g

    グラニュー糖以外を鍋に入れて、とろ火で煮る。人参に火が通ったらグラニュー糖を入れ水分が1/3になるまで煮詰める。粗熱をとり、冷蔵庫で一晩冷やして味わいを人参に染み込ませておく。

    ☆ホワイトチョコレートで作った卵の殻(2枚分)

    • ホワイトチョコレート :60g
    • 無塩バター :10g

    材料をボールに入れて湯煎にかける(湯温は60度に保つ)。溶けたら卵型のモールドに刷毛で厚さ3mm位になるまで塗り、冷蔵庫で冷やし固める。固まったら割れないように気をつけモールドから外す。

    ☆胡麻団子

    胡麻団子(市販の冷凍ものでも可)1個を直前に揚げておく。

    仕上げ

    カクテル材料全てをブレンダーにかけて、口当たりを滑らかにする為に裏漉してボールに入れる。液体窒素を材料にかけて、泡立て器で少し撹拌をしながら空気を含ませる気持ちで冷やし固める。

    固まったら、ホワイトチョコレートの卵の殻に入れて、揚げたての胡麻団子を添えてスプーンとともにサーブする。

     

  • フード・ペアリングの楽しみ方 vol.7

    フード・ペアリングの楽しみ方 vol.7

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    今回のペアリング

    素材を置き換えるペアリングの考え方

    「シシリアン・パッション」
    ×
    「凝縮させた鶏肉と新じゃがのピュレ なめこのエキス・ジュレ」

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    今回のペアリングは、もともと相性の良い素材を同類の成分や植物の属性などから考えて、別の素材に置き変えることによって意外な組み合わせとなるケースについて、その考え方を説明いたします。

    植物や野菜が様々な属性や科に分けられているのは、みなさんご存知かと思います。この属性や科を調べてみると、同じもの同士はその成分などが多く類似していることに気付かれるはずです。その視点から、普段薬味やソースに使うスパイスやハーブの属性を調べることで、意外な組み合わせが見えてくることがあります。

    今回の例は【ラベンダー】です。

    前回カツオの時にもラベンダーを使いましたが、それも含めた上で考えをまとめる順番を示します。

    ラベンダーはシソ科 → シソ科ならば、醤油や刺身、キノコ類とも相性がいいはず → 膨らみをもたらせる酒のベースを考える → まとめ役を考える → 料理との色合いのコントラストを考える → 料理とカクテルの舌触りを合わせる → フィニッシュを考える

    といった順番で考えていきました。

    カクテルと料理双方の中心となるものの味を決めた上で、そこから肉付けしながらペアリングを組み立ててみるのも面白いのではないかと思います。

     

    カクテル:「シシリアン・パッション」

    • バカルディ・カルタ・ブランカ:30ml
    • ブラッドオレンジ:40ml
    • ラベンダー・ウォーター:10ml
    • アガベシロップ:1tsp
    • ブラー・グランソラージュ:5ml → グラスリンス
    • ガーニッシュ:ドライ・ブラッドオレンジ

    技法:シェイク

    ☆料理

    「凝縮させた鴨肉と新じゃがのピュレ なめこのエキス・ジュレ」

    レシピ:10人分

    「凝縮させた鴨肉」

    鴨胸肉 1枚

    塩10g、ジンジャーパウダー小さじ1/4、ガーリックパウダー1/4、カルダモンパウダー1/4、ブラックペッパー少々

    鴨胸肉に香辛料と塩、ブラックペッパーを刷り込み、ジップロックに入れて2日間冷蔵庫で寝かせる。その後、流水で4時間塩抜きをしてから、冷蔵庫で一晩乾燥させる(脱水シートがあればなおよし)。油をひかずに熱したフライパンで皮目から焼き、両面がほどよくきつね色になったらアルミ箔に包んで30分寝かせる。

    「新じゃがのピュレ」

    • 新じゃが:3個
    • 牛乳:200ml
    • 塩:ひとつまみ
    • ヘーゼルナッツオイル:10ml

    新じゃがの皮をむいて茹でる。竹櫛が通るくらいになったらざるにあけて、裏ごしする。

    牛乳と塩、ヘーゼルナッツオイルを混ぜて粗熱を取った後に、冷蔵庫で冷やしておく。

    「なめこのエキス・ジュレ」

    • なめこ:100g
    • 水:300ml
    • 塩:ひとつまみ

    なめこと水200mlを鍋に入れて、弱火で煮込む。水分が半分になりとろみが出てきたら、残りの水100mlを加えて、さらに半分になるまで煮込む。なめこをざるにあけて、煮込み汁はボールにとっておく。なめこを適当な大きさに刻み、煮込み汁と合わせて塩で味わいを整える。

    *盛り付け

    新じゃがのピュレをグラスに詰めて、鴨肉を3mm角に切ったものを乗せる。上からなめこのエキス・ジュレをかけて、季節のハーブを飾る。

    効果

    今回は、カクテルが料理を美味しく楽しむためのソースがわりにもなっております。なめこを煮込むと特有の苦味が出てきますが、これがラベンダーと反応して苦味を相殺し、料理に深みを与えます。またカクテルにも旨みとキレが出てくることにより、口の中がフラットになって繰り返し楽しみたくなるペアリングとなっております。

     

  • フード・ペアリングの楽しみ方 vol.5

    フード・ペアリングの楽しみ方 vol.5

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    今回のペアリング

    ペアリングの相手を見つけるための第一歩

    「Lady Isla」
    ×
    「浜名湖産青のりとホワイトチョコレートのバター ピンクペッパーを忍ばせて」

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    暑さを乗り越えて、秋へと向かう虫の声が聞こえてくると、琥珀色のお酒をちびりちびりと飲みたくなる季節がやってまいります。

    今回はウイスキーやブランデーをテーマにして、ペアリング相手の見つけ方を少しお話しさせていただきます。

    ウイスキーやブランデーなどをストレートで嗜む時に、どういったおつまみを選んでいますか?多くの方は、手軽なナッツ類やチョコレートなどではないかと思います。

    もちろんベーシックに考えれば合わないことはありません。でもペアリングという概念で考えていきますと、実際にチョコやナッツが万能なものでは無くなります。もしかしたら、最悪の組み合わせとなってしまうかもしれません。せっかくの豊かな味わいやふくよかさをなくしてしまったり、後味に苦味を感じさせてしまったりする事も多くあります。

    では、どのようにしたら最適な相手を見つけることができるのでしょうか? それはまず、お酒の味わいと香りを読み取ることが重要となります。つまり、テイスティングの能力を高めることが必要となります。初心者の方には少し難しいことかもしれませんが、まずは自分自身が好きなお酒について、今までに体験したことのある味わいや身近な香りを使って書き留めてみてください。難しく考えずに、例えばアイラ島のラフロイグでしたら正露丸の味とか素直な感じでいいです。いくつか香りや味わいを分解することによって、その味わいや同じ香りが明確に見えてきたら、実際に食べ物などと合わせてみましょう。その相性の良さは、当然のことながらよくなります。これが、ペアリングの相手を見つけるための第一歩となるのです。

    では、せっかくラフロイグがお題として出てきましたので、ラフロイグをテーマとしたペアリングを考えてみましょう。

    ラフロイグ10年 = ヨードの香り、燻製、焚き火、……正露丸(笑)

    プロになりますと、ラズベリーやイチゴ、オレンジ、ホワイトチョコレート、バニラ香などなど。このように、味わいや香りの細分化ができると思います。では、ペアリングとして考えたときにどの香味を協調させるのか? テイスティングをしたコメントをカテゴリー分けしてみましょう。スモーキーな部分をカテゴリー(A)、フルーツ系をカテゴリー(B)として考えてみてください。スモーキーな部分を活かすのであれば燻製物、フルーツ系を活かすのであればラズベリーやイチゴのジャムをのせたカナッペなどがよいでしょうか。これは「同調」をさせることによって、それぞれの味わいに輪郭をつけるための技法で、最も簡単なペアリングの見つけ方だと思います。

    今回は、ペアリング技法の「補完」も加えて考えてみます。

    カクテル名:「Lady Isla」

    LAPHROAIG 10y: 30ml
    Crème de Framboise:15ml
    柿の葉茶: 20ml
    技法: スローイング
    グラス: アルマニャック・グラス

    ☆ペアリング素材

    「浜名湖産青のりとホワイトチョコレートのバター ピンクペッパーを忍ばせて」

    レシピ:10人分

    無塩バター: 100g
    乾燥のり: 50g(*1)
    ホワイトチョコレート: 1g
    海塩: 少量
    オレンジの皮: 適量
    ピンク・ペッパー: 10粒
    クラッカー: 20枚

     

    作り方:

    • 無塩バターを常温に戻して柔らかくしておく。
    • 乾燥のりをミキサーで粉砕する
    • ①と②を合わせて練った後、パラフィン紙で筒状に丸めて冷蔵庫で冷やし固める。
    • 冷やした青のりバター(③)にホワイトチョコレートを削ったものを乗せ、バーナーで炙る。
    • 海塩を適量散らす。
    • オレンジの皮をツイストさせて香りづけた後、ピンク・ペッパーを散りばめる。

    (*1) 乾燥のりは、生のりをパラフィン紙に薄くぬって 100度以下の温度で乾燥させた直後のものが好ましい。

     

    ポイント:

    現行のLaphroaigが持つ香気成分と味わいに素材をプラスして、60〜70年代に感じたLaphroaigの味わいを再現します。優しいベリー系の味わいと、柿の葉茶の旨味が表現する経年し枯れた味わいが、現行ボトルの味わいに時間の経過を付加してくれます。そしてラフロイグが持つ海の香りとハーバルな香りを引き出すため、青のりの旨味を加えます。樽の香りは、炙って焦がしたホワイトチョコレートで。さらに酸味とスパイシーさを加えるためにピンク・ペッパーのアクセントを使い、脳を刺激させます。これらが、カクテルの味わいと向き合わせることを考えたペアリングです。

    カクテルの中にあるポテンシャルを引き出しながら、ラフロイグのスパイシーな味わいを包みこみ余韻に変化させ、長期熟成されたラフロイグのまろやかでフルーティーな味わいを表現しています。

     

     

  • フード・ペアリングの楽しみ方 vol.4

    フード・ペアリングの楽しみ方 vol.4

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    今回のペアリング

    「カツオの出汁醤油漬け リコッタチーズといぶりがっこを忍ばせて」
    ×
    「長野県産ルバーブとラベンダーのコスモポリタン」

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    強い日差しを浴びた後、さっぱりとしたものが飲みたくなる季節が今年もやってきました。そんな暑い日差しの中、BARでの一杯目は少し酸味の効いたさっぱりとしたカクテルが飲みたくなります。そこで今回は、酸に注目をしたペアリングをご紹介させていただきたいと思います。

    カクテルにおいての「酸」は、リンゴ酸、乳酸、酒石酸が代表的ではないでしょうか? ただ、近年のカクテル業界では「酢酸」を主成分とするヴィネガーを使った自家製のシュラブや、「グルタミン酸」「イノシン酸」「コハク酸」などを副材料として使うことも多くなってきました。

    それぞれの「酸」に合うものは、一体何でしょうか?

    「グルタミン酸(昆布)」と「イノシン酸(鰹節)」で作る出汁は旨味の相乗効果で美味しくなることはご存知の方も多いと思います。そういった酸同士の組み合わせによって相乗効果が生じることも多々あります。

    合わせにくい例を挙げますと、甘みの強いチョコレートやデザート系の場合、酸は苦味を生じたり、強く反応してしまう可能性があります。厳密に言えばチョコレートの場合、焙煎度の低い物であればレモンやラズベリー、コリアンダーなどの香りや味わいを感じるものもありますので、ここにリンゴ酸系や乳酸系などを感じさせるものを入れたガナッシュを組み合わせることで、合わせられるかもしれません。

    しかし今回は、通常手に入る身近なもので考えてみることにしたいと思います。

    以前ある専門誌にご提案をさせていただいた「リンゴ酸」と「乳酸」の組み合わせがあります。これはワインの製造工程の一つである「マロラクティック発酵」からヒントを得たものです。前回でもお話をいたしました製造工程からのペアリングの考え方です。

    それを踏まえてご紹介をさせていただく今回のペアリングは、

    「カツオの出汁醤油漬け リコッタチーズといぶりがっこを忍ばせて」×「長野県産ルバーブとラベンダーのコスモポリタン」

    です。

    効果

    リコッタチーズの乳酸は、リンゴ酸などが強いルバーブの酸味を柔らかくしてくれます。カツオや牡蠣醤油のもつアミノ酸やイノシン酸がラベンダーの香気と反応し合います。最後に忍ばせておいた、いぶりがっことリコッタチーズがドン・フリオ レポサドの樽由来の深みと乳酸の香りを余韻として長く感じさせる効果をもたらしてくれます。一覧にすると

    カツオ(イノシン酸) = ドン・フリオ  レポサドの深み
    リコッタチーズ = ルバーブ(リンゴ酸・ビタミンC)
    牡蠣醤油 = ラベンダーの持つシソ科の香り
    いぶりがっこ = ドン・フリオの樽香

    という形です。

    料理だけでも完成している「酸」の組み合わせですが、ここにカクテルが加わることによってより相乗効果を楽しむことのできるペアリングです。

    まとめ

    今回のような、食材から感じ取ることのできる様々な「酸」との組み合わせを考えて行くペアリングでは、それぞれの味わいの変化や、繋げることによって生まれる相乗効果を感じることができます。ペアリングの楽しさを最も感じられる組み合わせのひとつといえます。

     

    ☆レシピ

    「カツオの牡蠣醬油漬け リコッタチーズといぶりがっこを忍ばせて」(5人前)

    カツオ 10枚
    牡蠣醤油 100ml
    水 100ml
    いぶりがっこ 20g
    リコッタチーズ 30g
    クラッカー 10枚
    山椒  少量

     

    作り方

    ① 牡蠣醤油と水をあわせたものにカツオを一晩漬け込み、5mm角に切る。

    ② リコッタチーズと1mm角のダイス状にしたいぶりがっこを混ぜ合わせる。

    ③ ①、②をクラッカーにのせて、最後に山椒を振る。

     

    「長野県産ルバーブとラベンダーのコスモポリタン」

    ドン・フリオ レポサド 30ml
    ルバーブ・ジャム(*) 20ml
    ラベンダー・ティー 10ml
    グレープフルーツ・ジュース 30ml
    コアントロー 1tsp
    グレナデンシロップ 1tsp

    技法  :シェイク

    グラス :カクテルグラス

    (*) ルバーブ・ジャム
    ルバーブ 500g
    グラニュー糖 150g
    水 500ml〜800ml(ルバーブがしっかりと浸るくらいの量)

    作り方

    ①ルバーブの両端をカットして、3cm幅にカットする。

    ②水を張った鍋に①を入れて、とろとろになるまで煮込む。

    ③ルバーブの繊維が解けてきたら、砂糖を入れてジャム状に煮詰めていく。

     

     

     

     

  • フード・ペアリングの楽しみ方 vol.3

    フード・ペアリングの楽しみ方 vol.3

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    今回のペアリング

    「乾燥納豆とバナナのクリームチーズのパフェ仕立て 」×「ハバナ・ワルツ」

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    今回は、製造方法による共通点からペアリングの見つけ方をご案内させていただきます。製造工程が似ているもの同士の相性がよくなりやすいというのは、工程中に生じる成分が近しいものが多くあるためだと考えられています。これをお酒と食べ物に置き換えて考えてみると「同調」と「変化」のペアリングがしやすいと思います。

    私が今回、ペアリングに選んだ素材は「納豆」と「カカオ」です。「納豆」は日本の歴史的にも古い発酵食品ですが、いまではこの「納豆」を使ったスイーツが流行っており、海外でも注目の食材になっているそうです。ご存知のとおり、「カカオ」も「納豆」も発酵食品ですので、相性が良いのは何と無く想像ができるのではないでしょうか。お恥ずかしながら、私は昨年まで納豆が苦手でこの相性に気がつかなかったのです(苦笑)。色々と調べて参りますと、すでにチョコレートと納豆を組み合わせた商品も多く存在をしており、今更な感じもいたしますが、これをもう少し進化させた形でのペアリングを今回ご紹介させていただきます。

    カクテル
    ハバナ・ワルツ(テネシー・ワルツのツイスト)

     

    レシピ

    [su_list icon=”icon: check-circle”]

    • ハバナ・クラブ7年 40ml
    • グレナデンシロップ 10ml
    • ソーダ 適量
    • ライム・ゼスト 1枚

    [/su_list]

    作り方

    氷を入れたタンブラーにハバナ・クラブ7年とグレナデンシロップを注ぎ、軽くステアをした後にソーダを注ぐ。少し素材が重いので、下から持ち上げるようにしてステアする。

     

    フード
    乾燥納豆(*1)とバナナのクリームチーズのパフェ仕立て(6人前)

    レシピ

    [su_list icon=”icon: check-circle”]

    • 乾燥納豆のプラリネ(*2) 5g
    • バナナ 1/2本
    • クリームチーズ(*3) 60g
    • アガベシロップ or メープルシロップ 適量
    • 市販パイ菓子 6本

    [/su_list]

    *1 乾燥納豆

    市販の納豆をパラフィン紙に広げて100度以下のオーブンまたは食品乾燥機で30〜60分乾燥させる。可能であればザルに広げて、3日間の天日干しが好ましい。市販の乾燥納豆でも可。

    *2 乾燥納豆のプラリネ

    グラニュー糖 110g
    水 15ml
    乾燥納豆 1パック分

    ①グラニュー糖と水を合わせて鍋に火をかける。温度が110度になったら乾燥納豆を鍋に入れる。

    ②木じゃくしで混ぜ合わせながら、砂糖が白く結晶化したら、パラフィン紙に移して少しバラバラにして常温で冷ます。

    *3 クリームチーズ

    分量のクリームチーズに粉糖30gを入れて混ぜ合わせる。

    組み立て

    容器に乾燥納豆のプラリネ、クリームチーズ、さいの目にカットしたバナナ、乾燥納豆のプラリネの順で重ねてて盛り付ける。最後にアガベシロップかメープルシロップをかけて提供する。

     

    今回のペアリング・ポイント

    カカオ豆を発酵させる工程からインスピレーションを受けました。バナナの葉で豆を覆うところからバナナを、製造工程で必要となる乳酸菌をクリームチーズに置き換え、そこに低温乾燥させてメイラード反応させた納豆を焙煎したカカオ豆として考えました。それからカカオの産地としても知られるキューバ産のラムであるハバナ•クラブ8年を使い、古くから作られているスタンダードカクテル「テネシー・ワルツ」をツイストさせたカクテルをペアリングとしてご用意させていただきました。「乾燥納豆とバナナのクリームチーズのパフェ仕立て」を食べてからこのカクテルを飲むと、納豆の臭さが消えてカカオのような味わいが口の中で現れ、本来のテネシー・ワルツのような味わいを作り出してくれます。そしてグレナデンの独特な甘みが消え、よりハバナ・クラブ8年の味わいをふくよかなものにしてくれるペアリングとしてお楽しみいただけます。

    このように、製造工程や成分分析から考えていく相性の良さも、より面白いペアリングを発見することができるコツではないかと思います。

  • フード・ペアリングの楽しみ方 vol.2

    フード・ペアリングの楽しみ方 vol.2

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    今回のペアリング

    「自家製からすみと白蕪のミルフィーユ」×「EN-musubi」

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    読者の皆様、明けましておめでとうございます。

    本年はじめの寄稿ということで、新年にふさわしいペアリングをご紹介させていただこうと思います。ぜひ皆様もお試しいただけましたら幸いです。

    [su_heading size=”18″ align=”left” margin=”30″]カクテル 「EN-musubi」[/su_heading]

     

    レシピ

    [su_list icon=”icon: check-circle”]

    • WA-BI-GIN エアーインフュージョン・アーモンド(*) 40ml
    • 南天芳香蒸留水(**) 20ml
    • 和三盆 2tsp
    • レモンジュース 5ml
    • 生クリーム 20ml

    [/su_list]

    *WA-BI-GIN エアーインフュージョン・アーモンド

    アーモンド 30gをフライパンで煎ったものを軽く潰し、表面にうっすらとアーモンドオイルが出たら深めの茶こしに入れ、下に300mlのWA-BI-GINをいれたティンの上に置き、ラップで密閉をして一晩おく。

    **南天芳香蒸留水(氣水)

    今回は簡易的な作り方でご紹介させて頂きます。
    蒸し器の下鍋にミネラルウォーター700mlと南天の葉(乾燥)80gを入れ、電熱器で湯温 60~70度に設定する。蒸し器の網の部分(中心)に耐熱のボールを置く。鍋の上部に丼で蓋をして水を張り、冷却水とする。1〜2時間程度で200ml程度の芳香蒸留水が得られる。

    あくまで簡易的な方法なので、芳香を強く取得したい場合は純引蒸留器を使用することをお勧めいたします。

     

    作り方

    ①材料を全てシェーカーに入れ、長めにシェイク。

    ②バーズネストで余分なチップを除去してグラスに注ぐ

     

    [su_heading size=”17″ align=”left” margin=”30″]フード「自家製からすみと白蕪ミルフィーユ」[/su_heading]

    レシピ

    [su_list icon=”icon: check-circle”]

    • 自家製からすみ(***/市販のものでも可) そぎ切り 6枚
    • 白蕪 色紙切り 6枚
    • 柚子皮 適量
    • エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル 適量

    [/su_list]

     

    作り方

    ***自家製からすみの作り方

    材料
    ボラの卵巣 1枚
    粗塩    適量
    酒     適量

    1. ボラの卵巣の血合いをペティナイフでこそぎ、血抜きをする。
    2. 清潔なタッパーに粗塩をしき、下処理をした卵巣を置く。粗塩を上から卵巣が隠れるように敷き詰めて、冷蔵庫に入れて1週間寝かせる。
    3. 1日目で水分が大量に出るので、塩を変える。(卵巣の水洗いはしない)サイズにより変わるが、こまめに水分をチェックしておく。
    4. 約1週間後(卵巣が硬くなったら)、流水で塩抜きを一晩する。
    5. 余分な水分を拭き取り、酒(当店ではタリスカー)を塗り天日干しにする。
    6. 約2週間(地方による)酒を塗りながら、乾燥させて完成。

     

    組み立て

    1. 白蕪の皮をむき、色紙切りにする。
    2. からすみをそぎ切りにして、白蕪ではさみ、ミルフィーユ仕立てにする。
    3. ゆずの皮を散らし、オリーブオイルを少量かけてサーブする。

     

    今回のペアリング・ポイント

    今回のペアリングは、「再構築」を用いて作り上げました。

    ペアリングでの再構築は、料理の素材に含まれているものを一度分解させてからパズルのように組み合わせていく方法論です。

    私がスタンダード・カクテルのツイストを作り上げていく中でも用いる方法です。料理を一度分解させてから作り上げていく補完方法は、いずれまたご紹介をさせていただきますが、今回はスタンダード・カクテルの「マグノリア・ブロッサム」と「ピンク・スクワァーレル」を組み合わせて分解・再構築をさせたペアリングとなっております。

    シェイクにより生じる気泡と生クリームの乳脂肪によってアルコールの刺激と香りが丸くなる効果を逆に利用して、隠れたアーモンドの香ばしさをからすみで呼び起こすという、ペアリングによって二つのカクテルの味わいを愉しむことができる組み合わせです。

    カクテルを飲むと爽やかな南天のフルーティーさを愉しめ、ナッティな味わいのある「からすみと白蕪のミルフィーユ」を一口食べた後に再びカクテルに口をつけると、エアーインフュージョンをしたWA-BI-GINのアーモンドの香りが引き立ち、香ばしい味わいのカクテルに変化をしてまいります。

    春一番に咲くタイザンボクの花を新しい春の訪れに、正月飾りに使われる南天の氣水で「難を転じて福となす」。ピンク・スクワァーレルで子孫繁栄。

    新年にふさわしいペアリングとしてご紹介をさせていただきました。

    今回のペアリングの組み立て方

    初めにペアリング・テーマを考える。

    テーマが決まったらカクテルから考えるのか料理から考えていくのかを決める。(今回は正月にふさわしいカクテルからの方法)

    次にカクテルの素材を分解させて、それぞれの相性や似ている香り、味わいを探す。

    そこから味わいの強弱のバランスがどのようになっているのかを考え、それぞれで一度ペアリングをしてから考える。

    次に、カクテルの足し算と引き算をして素材配分を再構築。引いた部分を料理に落とし込む。

    そして塩味、旨味、酸味、食感とカクテルとのバランスを考えて、必要なペアリングの料理を再構築していく方法をとりました。

     

    今回の考え方をイメージしやすいように表にしてみました。

     

    DRINK FOOD
    マグノリア・ブロッサム
    ジン → 白蕪
    レモンジュース → 柚子皮
    生クリーム → 食感、ふくらみ
    グレナデンシロップ → 南天 氣水
    ピンク・スクワァーレル
    クレーム・ド・ノワヨー → からすみ
    クレーム・ド・カカオ → からすみ
    生クリーム → 食感、ふくらみ

     

  • フード・ペアリングの楽しみ方 vol.1

    フード・ペアリングの楽しみ方 vol.1

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    今回のペアリング

    森の恵みと地鶏レバーのパイ包み × アドニス 山遊び仕立て

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    [su_heading size=”18″ align=”left” margin=”30″]1. アドニス 山遊び仕立て[/su_heading]

    レシピ

    [su_list icon=”icon: check-circle”]

    • オロロソ・シェリー 40ml
    • スイート・ヴェルモット 30ml
    • ダージリン・ビターズ 1tsp (*)
      *ダージリン・ビターズ
      バカルディ8 200ml、ダージリン 5g、カルダモン 1粒、クローブ 3粒 材料を5時間ほど浸け込んで、フィルターにかける。

    [/su_list]

    ガーニッシュ

    [su_list icon=”icon: check-circle”]

    • オレンジスライス 1枚
    • スイート・ヴェルモット 30ml
    • シナモン(シェリーブランデーに一晩浸けた後、乾燥させておいたもの。提供直前に少し炙る) 1本

    [/su_list]

    <料理が常温の場合>

    ①ガーニッシュ以外の材料をロックグラスに注ぎ、クラック・ド・アイスを7分目まで入れる。

    ②オレンジスライスを飾り、シナモンスティックをグラスの上に添える。

    ☆提供時に、「味が水っぽくなりましたら、シナモンスティックでオレンジを潰して味わいに深みを持たせてください」と一言添える。

    <料理が焼きたての場合>

    ①材料をミキシンググラスに入れて大きめの氷でステアし、やや高めの温度で仕上げる。ボルドー型の大きいワイングラスに注ぐ(香りと共にお愉しみ頂く)。

    ②シナモンスティックを別皿で添える。

    ☆別添えのシナモンスティックは「味わいが単調に感じた際にお使いください」とお伝えする。

    [su_heading size=”17″ align=”left” margin=”30″]2. 森の恵みと地鶏レバーのパイ包み[/su_heading]

    レシピ(6人前)

    [su_list icon=”icon: check-circle”]

    • パイ(市販の物) 1枚

    [/su_list]

    詰め物

    [su_list icon=”icon: check-circle”]

    • キノコ
      舞茸 1株
      しいたけ 5個
      マッシュルーム 5個
      クミンシード 適量
      塩・胡椒  適量
    • 地鶏のレバー 200g
    • クリームチーズ  100g
    • 塩・胡椒  適量

    [/su_list]

    栗のクーリ

    [su_list icon=”icon: check-circle”]

    • 栗の渋皮煮  5個
    • 煮汁  100ml

    [/su_list]

    作り方

    下準備

    ⑴詰め物

    • キノコ類を5mm角に切る
    • 分量外のバターをフライパンに入れ、塩胡椒で味をつける。クミンシードと共に中火で炒める。
    • キノコの表面がしんなりと半透明になったら火を止め、バットに入れて冷やしておく。

    ⑵地鶏のレバー

    • 地鶏の下処理として、牛乳に60分ほど浸け込む。包丁でレバーを軽く開いて、血を取る。
    • 浸け込んだレバーを水で軽く洗い、ペーパータオルで水分を取る。
    • フライパンにバターを入れて、塩胡椒をしたレバーに中火で火を通す。火を通しすぎると舌触りが悪くなるので、両面がこんがりときつね色になったら火を止めて余熱で火を通していく。

    ⑶パイ生地

    • 市販のパイシートを厚さ3mmほどに伸ばす。
    • 15cm程度のセルクルで丸く型取りをしておく。

    ⑷栗のクーリ

    ①市販の渋皮煮をジュースと一緒にミキサーにかけて、裏ごしをしておく。

    仕上げ

    • 地鶏のレバーを2cm角に切る。
    • パイ生地の端に卵黄を塗り、キノコ、レバー、クリームチーズの順番で、具がはみ出ないようパイ生地にのせて、上から別のパイ生地をかぶせる。パイ生地の端と端を一緒に掴み、内側へ丸めて閉じていく。
    • 丸く膨らんだ上部の部分に、包丁で縦に軽く3本ほどの切り込みを入れる。上から卵黄を塗り、200度に設定したオーブンで10分焼く。
    • 包丁で縦半分に切って皿に盛り、栗のクーリを添えて提供する。

    今回のペアリング・ポイント

    パイ包み料理は常温でも美味しくご提供でき、調理設備が少ないバーでも取り入れ易いフードだと思います。

    今回のペアリングは、温度差による味わいの感じ方に焦点を当て、秋の山々の恵みの滋味深さと野趣溢れる味わいを、より引き上げるペアリングを考えました。ポイントは、料理との温度差をつけすぎないという事。温度差が開くと効果的な場合もありますが、今回のように素材同士の旨みや膨らみを目的とする場合は、あまり温度差をつけない方が、ペアリングとしてお客様に理解し易いのではないかと思います。

    今回のペアリングでは、「料理と近しい香りと味わいの素材をつなぎ合わせる」「ペアリングの基本となる同系色の色合いのもの」のほか、スパイスや苦みなどを加えることによって料理に「補完」という手法もとり、料理とお酒の旨みを引き出すというペアリングに仕上げました。

    この料理とのペアリングの可能性は、まだまだ他にもありますので、ご興味を持たれた方は是非色々とお試しいただければ光栄です。